「暑っ、くそ、何だよこの暑さは」
練はイラっとしながら、クーラーのリモコンを操作して、設定温度を下げた。
「社長!駄ー目、下げ過ぎちゃ。節電しなくっちゃいけないんですよ!
今年のクーラーの設定温度は28℃なんですからね!」
環は、さっと、練の手からリモコンを取り上げて、温度を28℃に設定し直した。
「こんな暑いんじゃ、効率が悪くなる。
環だって、俺に怒鳴られる回数増えたら嫌だろ」
「じゃぁ、お脱ぎになれば?社長。
今日は来客の予定も、ありませんし。
外出は、夜の接待だけですから!」
「あっそ。んじゃ、そうする」
練は、ぱっぱとYシャツを脱ぎ捨て、
ズボンも放り投げ、アンダーシャツとトランクス一丁になった。
「あ〜、いいな。
やっぱ、これが一番落ち着く。
よし、決めた、今日からイースト興業はスーパークールビズだ。
来客が無い時は、脱いでもいいぜ!」
「私は結構です。だって、あの斎藤が入って来たら・・・」
「若ーーーーー!!
なんて、お姿を!!!」
そう言っているそばから斎藤が部屋に入ってきて、
慌てて、練のYシャツとズボンを拾って、着せようとした。
「若、まだお仕事中です!!!」
「だって、環がクーラー下げさせてくれないんだぜ。
暑くて、やってられねえよ。
いいじゃん、スーパークールビズなんだ、おまえも脱げよ」
そう言いながら、練は斎藤のネクタイをするりと抜いて外した。
「おまえ見ているだけで、暑苦しいんだよ。
おら、この方が楽ちんだぜ」
「若ーーーー!!! ちょっ・・・
そ、そんな・・・お姿を・・・
仕事になりません!!!」
斎藤は顔を真っ赤にして、社長室から翔けて出て行った。
「若のお美脚を拝見しながら、
仕事なんてできませんてー!!!
うわっ!鼻血が・・・」
それから、来客がない日は、Tシャツとトランクスで過ごすようになった練を見ては鼻血を出し続ける斎藤。
スーパークールビズは、スーパーデンジャラスな試練の夏。
はたして、斎藤は乗り越えられるのだろうか・・・?