ったく、気持ちよさそうに、寝ていやがる。
この分じゃ当分起きそうにもない。
昨日は少しヤリ過ぎたなと、自分でも可笑しくなる。
そういや、コイツの歳も聞いてなかったな。
多分、20代半ば位だろうが、こんなあどけない寝顔を見ていると、もっと若くも見える。
カジュアルな格好をしていれば、大学生でも通るんじゃないか。
昨日の晩からずっと離れられなかったベッドから、
ま、ベッドと言うより離れられなかったコイツの身体から、
やっとのことで、抜け出る。
これ以上、ここにいたら、また襲いそうでヤバイ。
腹が減ってきたから、
朝飯でも作ってやろうか。
皐月の部屋から、無理矢理引っ張って来たから、
服も下着も何も持って来なかった。
皐月のことだから、後で送ってくるかもしれないが、
取り敢えず、買い物にでも連れて行くか。
手帳を取り出し、今日の予定を確認する。
夕方から、接待が1件か。
事前の打ち合わせに、組に顔を出さなくてはならないが、
3時頃までは時間がある。
一日のスケジュールが決まったら、
身体がすうっと動き出した。
ちゃっちゃと手早く、
フットワークも軽く、
無駄のない作業。
信じられない。
この俺が?
誰のために?
一体何をしているんだ?
答えはわかっているから、
これ以上、自分に問うことはしない。
感情よりも先に身体が動いた。
コイツの寝顔がそうさせたのだから。
只、それだけのことだ。
練・・・
今日から、名前で呼んでやろう。