＜Side Ren>



痛い
痛い
痛い

やめろ
やめろ
やめろ

ほっといてくれ
ほっといてくれ
ほっといてくれ


ああ・・・


行ってしまったじゃないか。


折角、今日で何もかも終わると思ってたのに・・・


なんで、こんなところ、歩いていたんだよ？


なんで、こんな時間に、歩いていたんだよ？


なんで、オレを見つけたんだよ？


なんでだよ？
なんでだよ？
なんでだよ？


あと、３分で・・・


すべて終わらせることができたのに・・・


あと、３分で・・・


楽になれたのに・・・


また、続いていく・・・


この夜が。


この男のせいで。


殴って逃げたかったけど、
もう、拳に力が入らなかった。


何もかもが、面倒くさい。


考えるのも、
殴るのも、
逃げるのも。


今は只、
前を歩く男の背中だけを見て、
歩くことしかできなかった。

「紅縄」は、基本的には、誠一目線で進めていくつもりですが、
時々、練サイドの話も、ちょろっと書いていきます。

誠一に蹴られた直後の練。
「逆らうだけの気力も、もうなかった」と書いてありましたけどね。
まさか、こんな時間に人が通るとは思っていなかった練にとっては、
大丈夫だろうと、思ってたところに、まさかの誠一御登場で・・・

思えば、この瞬間に、誠一がここを歩いていたこと事態が、奇跡ですよね〜！
だって、もしも、車の調子が悪くならなかったら、歩かなかっただろうし。
そこが、皐月のところから歩ける距離じゃなかったら、最初からタクシー呼んでいただろうし。
車を降りた地点で、目の前をタクシーでも通ったら、乗っていただろうしね。

やっぱ、運命のだったのよ！
誠一との奇跡の出会いから、二人の「長い夜」が、始まったんですね〜！